当ブログ作成にあたり、引用及び参考にさせて頂いた資料は最後にリンク貼らせて頂きました。ご興味ある方はご覧ください。
目次
モスクワの松屋閉店を考察してみた
画像引用:http://matsuya-russia.ru/(アイキャッチ画像も同引用)
最近、モスクワに住んでいる日本人や日本好きのロシア人からも残念な声が聞こえていた松屋の閉店。
開店からわずか半年で閉店。(「松屋」モスクワ1号店が閉店)
今年はモスクワで松屋に行ってみようと思っていたのに、その前に無くなってしまって残念です。
でも、私的には決断は早い方が損失が抑えられるから半年というのは正解だったと思います。
色々な意見があるかと思いますが・・・
そのチャレンジ精神に私は拍手を送りたい!
なぜならロシアへ進出する際に恐らくジェトロさんからか、日本側から色々と助言があっただろうと思います。
つまり、
ロシアへの進出はやる気があっても、ロシア側とのやり取りで二転三転されたりして振り回されることも多いようで、そういったロシア側の手続きが日系企業のロシアへの進出を一層難しくしている。
また、ロシア政府は近年は国内志向を強めているので外国の企業はますます参入しにくい状況ではあります。(ロシア側は表向きにはウエルカムって言ってても、実際はそうじゃないみたい)
ということです。
私もロシアのビザ関係で苦労したので、ロシア進出の手続きとか想像できないくらい本当に骨折りだったろうと思うんですよ。(一般のロシア人はいい人多いのに、役所は何で嫌な人が多いんだろうと思います。)
松屋のモスクワ1号店の開店が遅れたのも、やっぱりロシア側が細かいことに難癖をつけたからのようです。
お醤油も微量にアルコール入ってるけど、ロシアは醤油の輸入でもアルコール輸入ライセンスの提示を求めてるのかな・・・?ふと疑問に思う。
松屋のマーケティングについて
商品
松屋モスクワ店のメニュー
画像引用:https://berdasov.online/385054.html
味は?
牛丼チェーンがロシアにはまだ進出しておらず、松屋が初めての試みだったようです。
ロシア人夫と日本でですが松屋も行きました。
日本かぶれした夫ですから、この意見は普通ではないかもしれません。
しかし、松屋がロシアへ進出を決めた理由は・・・
ウラジオストクで2週間限定で牛丼を出したところ、大好評だったから!です。
もしかすると、ウラジオストクのロシア人の味覚とモスクワのロシア人の味覚は少し違ったのかもしれませんね。
また、カレーなどのメニューでロシア人好みの味を検証していたようですが、方針にもあったように「日本と変わらぬ味」に拘りが強くて味の変化としては弱かったのかもしれません。
もう閉店しているのでレビューが見れないのですが、ブログなどでレビューしている人で「まずい」といってる人は私が見た限りではいませんでしたが、日本人の方で「甘辛系の味はロシア人には不評だった」と言っている意見も見られました。
提供時間が問題だった?
あるロシア人は
と言っていました。
たしかに松屋は従業員への教育に割と苦労されていたようです。
日本の飲食店は覚えることや作業量が多いし、さらに外国人となるともともと分からない牛丼という料理について覚えないといけないのでハードル高めだったかもしれません。
モスクワで飲食店に入ると殆どのレストランではロシア人もいるけれど中央アジアから来た人たちが働いているのを多く見かけます。
中にはロシア料理の店なのに従業員全員が中央アジア出身というお店も。
松屋の記事の写真ではロシア人従業員でしたが、ロシア語で検索すると調理場にいるのは中央アジア系の人でした。
ロシア人従業員への教育を想定していたけれど、ロシア人もいるけどロシア語が母語でない中央アジアからきた従業員もいる。また、ロシア人従業員は入れ替わりが激しいよう。教えるのも大変だったのかもしれませんね。
価格
ロシアは企業の出資比率によって細かく税制の区分が分かれているようです。
ロシアは外国資本率が25%以上から税金が高くなり、さらに付加価値税というのがあるらしいです。
付加価値税は物品の購入や仕入れなど多岐にわたってかけられる税金ということで、この税金というのが商品の価格をグンと押し上げる原因になり得ますね。
画像引用:https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/a201c6e0d0a488d8.html
☟オープンからすぐに大幅なお値下げ!
画像引用:https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/07/7a0708a5cf4e7b6a.html
サイドメニューの充実化も行われたようです。
ロシアの平均給与の低さを取り上げて、「松屋の価格が高い」との声もあったようでした。
しかしながら、ロシアのレストランで飲食すると日本のレストラン以上なお値段になるので私は松屋が特別高いとは思いませんでした。(でも、日本で牛丼食べていると高く感じるのは間違いないです!)
実際、ロシア人も
と言っていました。
ちなみに・・・
ロシアのマクドナルドでビッグマックのセットを頼むと319ルーブル(約520円、日本だと690円)です。(すみません、ビッグマックのチョイスは私がただマクドナルドに行くとビッグマックセットを頼むからです。💦)
ロシアに進出している丸亀製麺の客単価は日本円で一人791円*です。(2018年のデータ)
丸亀製麺すごい。。
原因は価格ではなさそうです。
立地
ロシアは国有地が多数を占めているそうです。
建物が民間でも土地は国有地ということがよくあるそうです。
土地と建物の所有者が違うと、工事する時などの手続きが色々と大変だそうです。もう大変そうなのが目に見える。。
土地も建物も民間が所有していることもあるそうですが、少ないそうです。
そういう関係もあって、選べるほどの物件が無かったことが考えられます。
外国の会社はパートナー会社に不動産会社と契約してもらわないといけないとか色々とあるようで、出費はドンドンかさみそうです。
そしてようやく、物件を見つけても
・割高になる
・契約条件を厳しくしてくる
ということがあるそうです。
ロシア語できない知り合いの日本人はロシアでタクシーもホテルもサウナも書いてある価格より割高にお勘定されたそうです。(誤解のないように、普通のロシア人は優しくていい人ですよ!)
また、ショッピングモールでの出店がよさそうですが、ロシアはモールのテナントの契約期間が3年~7年と長い。
初進出だと契約期間が長いことはリスクありすぎて避けたいところですね。
集客が狙えそうなショッピングモールは避けざるを得ず、物件も日本側が選べるほどの選択肢がなかったと思われます。
プロモーション
松屋といえば、SNSでも色々と話題になることをするし、営業は色々仕掛けてそうなイメージです。
☟ロシアでのプレオープンのイベント
画像引用:https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/03/c63fa980bde75bb3.html
ロシアにいないので、松屋がロシアでどういったプロモーションをしていたのかはわかりません。(この項目はテキトーになってしまいました)
ロシアでは日本食ブームで日本食のレストランは日本人が驚くほどあります。
日本食ブームの中で牛丼の可能性を見ていたのかもしれませんね。
ロシアの状況
ロシアへ進出している日系企業は少数
こちらのサイトによると、日系企業の多い国のランキングは以下のとおりでした。
画像引用:http://famzau.com/2017/02/07/branch-overseas/
一方、ジェトロによるとロシアの日系企業は121社*。(※2019年版の調査)
小さな国でも1000社以上進出したりしているのに、ロシアは世界一大きな国なのにたったの121社って。
もしかすると、手続き上のことでロシアの企業の態をしているから実際の数字には出てない会社もたくさんあるかもしれません。
市場が大きいロシアですから、進出したいと思っている会社はたくさんあると思いますが、色々なことが困難にさせているのでしょう。。
丸亀製麺はうまくいっている模様
一方で、丸亀製麺の決算をみたところ、ロシアのお店は上手くいっているようです。
何回かモスクワの丸亀製麺の前を通りましたが、うどんの気分でもなかったので入りませんでした。でも行ってみればよかった。
1店舗の1カ月の平均売上が635万円!(株式会社トリドールホールディングスより。決算2020年(データ自体は2018年)、2017年度のものは800万円ほどありました。)
中国を抜いていました。
丸亀製麺、凄いです!👏
お値段的にはうどんと乗せる具を選べば松屋の牛丼と価格帯はあまり変わらなさそうでしたが、違いは日本にはない「豚骨うどん」やメニューは番号で指定する等が導入されている点でしょうか。
まとめ
あくまで個人の勝手な考察なのですが、松屋さんが閉店となった最大の要因は・・・
・現地の従業員が円滑にオペレーションできなかったこと
・立地が悪かった
なのかなと思いました。
上手くいっている丸亀製麺さんと比べると海外出店数は少ないので、今回のことをバネに頑張ってほしいですね!
今週、夫と松屋の話題のジョージア料理「シュクメルリ鍋定食」頂きに行こうと思います。
私の勝手な考察を最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。💦
参考資料
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/06/a201c6e0d0a488d8.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/03/c63fa980bde75bb3.html
https://www.maff.go.jp/j/kokusai/kokkyo/attach/pdf/haifu_6nd-8.pdf
その他
http://famzau.com/2017/02/07/branch-overseas/
https://jp.sputniknews.com/opinion/201904026096633/
拝読しました。
内容まとまっていて大変読みやすかったです。
有難うございました。
聞くところでは、丸亀の管理は完全に現地任せとの事。なまじ日本人が絡むと難しいのでしょうね。
ありがとうございます!嬉しいです!
なるほど。やはり「郷に入れば郷に従え」というのはあるんでしょうね。
丸亀製麺は今後全店FC化してロシアでもさらに店舗を増やしていくとありました。勢いがありますよね。